【映像制作】映像(画面)のアスペクト比、解像度、フレームレート、ピクセル密度について解説

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映像を扱う時によく耳にする「アスペクト比(縦横比)」「解像度」「フレームレート」という言葉あります。
これらの要素は映像の品質と視聴体験に影響を与えるため、互いの関係性を理解し映像の品質が損なわれないようにしないけいけません。
この記事は「アスペクト比(縦横比」「解像度」「フレームレート」など、映像(画面)サイズに関係性について記載しております。

アスペクト比(縦横比)とは

アスペクト比は、画像や映像の横幅と縦幅の比率を表す指標です。
具体的には、画像や映像の横幅を1とした場合に、縦幅がどれだけの比率であるかを示します。

アスペクト比は通常、横幅と縦幅の比率をコロン(:)で表記します。
例:16:9や4:3など

異なるアスペクト比は、画面の表示形式や視覚体験に影響を与えます。
16:9のアスペクト比は、ワイドスクリーンの映像やモニターで一般的に使用されますが、4:3のアスペクト比は、古いテレビやコンピューターモニターで使われておりました。

アスペクト比は解像度とは異なる概念であり、解像度はピクセル数で表されます。
同じアスペクト比でも、異なる解像度を持つ映像は画質や表示のクオリティに違いが生じます。

アスペクト比は映画やテレビ番組、ビデオゲームなどの映像コンテンツの制作や視聴において重要な要素となります。適切なアスペクト比を選択することで、映像が適切に表示され、視聴者にとって最適な視覚体験を提供することができます。

アスペクト比の例

アスペクト比(縦横比)タイプ説明
4:3スタンダードまたはフルスクリーン古いテレビやコンピューターモニターで一般的に使用されていました。横幅を4として、縦幅を3とした比率です。
16:9ワイドスクリーン16:9アスペクト比は、現代のテレビやモニターで一般的に使用されています。ワイドスクリーンの映像を提供するために広く採用されており、映画やビデオゲームでも一般的な形式です。
21:9シネマスコープ21:9アスペクト比は、シネマスコープとしても知られる映画のワイドスクリーンフォーマットです。非常に広い画面を提供し、映画館や一部のモニターで使用されています。
1:1正方形1:1アスペクト比は、正方形の画像やビデオに対して使用されます。Instagramの投稿や一部の写真アプリでよく見られる形式です。

解像度とは

解像度は、ディスプレイや画像、映像などの表示において、水平方向と垂直方向に存在するピクセルの数を表す指標です。解像度は一般的に「横×縦のピクセル数」という形で表されます。

例えば、1920×1080の解像度は、水平方向に1920ピクセル、垂直方向に1080ピクセルのピクセル数を持つことを意味します。同様に、3840×2160の解像度は、水平方向に3840ピクセル、垂直方向に2160ピクセルのピクセル数を持つことを意味します。ピクセル数が多いほど、より高解像度でより詳細な画像が表示されます。

解像度は、画像や映像の鮮明さと詳細さを決定する重要な要素です。高解像度のディスプレイやカメラでは、より細かいディテールが表示または捉えられます。
また解像度は画像や映像のファイルサイズにも関連しており、解像度が高いほどファイルサイズも大きくなる傾向があります。

解像度の例

名称サイズ
720p1280×720
1080p1920×1080
4K Ultra HD3840×2160
8K Ultra HD7680×4320

解像度は、ディスプレイやカメラ、ビデオゲーム、映画制作など、さまざまなコンテキストで重要な要素となります。適切な解像度を選択することで、最適な視覚体験や画質を実現することができます。

ピクセル密度とは

ピクセル密度(ピクセルデンシティ)は、ディスプレイや画像センサーなどの表示デバイスにおける、1インチあたりのピクセルの数を表す指標です。ピクセル密度は通常、Pixels Per Inch(PPI)という単位で表されます。

ピクセル密度は、画面の物理的なサイズと解像度の組み合わせによって決まります。
同じ解像度を持つディスプレイでも、物理的なサイズが異なる場合、ピクセル密度は異なることになります。一般的に、ピクセル密度が高いほど、ピクセルがより密に配置されており、より鮮明で詳細な表示が可能です。

たとえば、10インチのディスプレイと20インチのディスプレイが同じ解像度を持つ場合、10インチのディスプレイの方がピクセル密度が高くなります。同じ数のピクセルが小さな画面に配置されるため、ピクセルがより密になります。

ピクセル密度は、ディスプレイや画像センサーの品質や鮮明さを評価するための重要な指標です。高いピクセル密度は、より鮮明な画像やテキストの表示を提供し、視覚体験を向上させることができます。一般的に、スマートフォンやタブレットなどの携帯デバイスでは、高いピクセル密度が求められています。

ただし、ピクセル密度だけで画質や表示品質を評価するのは適切ではありません。
他の要素(解像度、色再現性、コントラスト比など)も画像や表示の品質に影響を与えるため、総合的な評価が重要となります。


フレームレートとは

フレームレート(Frame Rate)は、映像やアニメーションにおいて、1秒間に表示されるフレーム(静止画像)の数を表す指標です。一般的には「fps(Frames Per Second)」という単位で表されます。

フレームレートは、映像やアニメーションの滑らかさや動きの表現に重要な役割を果たします。
高いフレームレートを持つ映像は、より滑らかで自然な動きを持ちます。
一方、低いフレームレートでは、動きがカクカクしていたり、速い動きがぎこちなく表示されることがあります。

一般的な映画のフレームレートは24fps(24フレーム/秒)です。
これは、映画の標準として確立されており、映画の特有の映像表現を提供します。
一方、テレビの標準的なフレームレートは30fps(30フレーム/秒)です。このフレームレートは、テレビ放送やビデオゲームなどのリアルタイムな映像表示に適していると言われています。

最近では、60fps(60フレーム/秒)以上の高フレームレートが採用されることも多くなっています。
これにより、より滑らかな映像や高速な動きの表現が可能となります。特に、ゲームやアクションシーンの多い映像コンテンツでは、高フレームレートが求められることがあります。

フレームレートは、映像制作や再生デバイスの設定に応じて変更できる場合がありますが、一般的には映像コンテンツ自体が特定のフレームレートで制作されます。視聴者は、フレームレートが映像の品質や視聴体験に与える影響を認識し、個々の好みや用途に合わせて適切なフレームレートを選択することが重要です。

フレームレートの例

フレームレート説明
24fps(フレーム/秒)映画の標準的なフレームレートです。映画業界では、24fpsが映画のクオリティと特有の映像表現を提供すると広く認識されています。
30fps(フレーム/秒テレビやビデオの標準的なフレームレートです。多くのテレビ放送やビデオコンテンツが30fpsで制作され、一般的な視聴体験に使用されます。
60fps(フレーム/秒)より高い滑らかさと動きの表現を実現するために採用される高フレームレートの一つです。ビデオゲームやアクション映像など、迅速な動きや高速シーンが多いコンテンツに適しています。
120fps(フレーム/秒)非常に高いフレームレートであり、より滑らかで鮮明な映像表現を実現します。ハイエンドのゲーミングやVR(仮想現実)コンテンツ、スポーツ映像など、迅速な動きを正確に捉える必要がある場合に使用されます。
240fps(フレーム/秒)以上より高速な動きの捉えや細かいモーションの表現に特化した極めて高いフレームレートです。スローモーション映像や高速度撮影など、時間を遅延させた映像表現に使用されます。

これらは一般的なフレームレートの例ですが、映像制作や再生デバイスによっては、さらに異なるフレームレートが使用される場合があります。
また、テレビやモニターのリフレッシュレート(画面の更新頻度)も重要な要素として考慮されることがあります。視聴者は、特定のフレームレートが映像の品質や視聴体験に与える影響を理解し、コンテンツや目的に応じて適切なフレームレートを選択することが重要です。

映像(画面)のサイズを取り扱うとき注意点

コンテンツの適合性を意識する

映像の画面サイズを選ぶ際には、コンテンツの性質や用途に応じて適切なサイズを選択することが重要です。
例えば、映画やテレビ番組を鑑賞する場合は、ワイドスクリーンの16:9アスペクト比が一般的に適しています。一方、ビデオ通話やプレゼンテーションのような特定の目的には、標準的な4:3アスペクト比が適切と言われています。制作するコンテンツによって、ふさわしい映像(画面)のサイズを適用しましょう。

表示デバイスの制約を確認する

使用するディスプレイやプロジェクターなどの表示デバイスには、特定の画面サイズやアスペクト比の制約がある場合があります。
デバイスの仕様を確認し、サポートされている画面サイズとアスペクト比を考慮する必要があります。特に、映画やゲームなどの映像コンテンツを視聴する場合は、デバイスが対応しているワイドスクリーンフォーマットが望ましと言われています。
作成した映像が再生機(デバイス)によって制約を受けることがないか事前に再生機(デバイス)の仕様を確認しましょう。

ピクセル密度と視聴する時の距離を意識する

画面の物理的なサイズと解像度に基づくピクセル密度は、視聴距離と相互に関連しています。
大きな画面サイズや高解像度のディスプレイを使用する場合は、視聴距離に合わせて適切なピクセル密度を考慮する必要があります。
低密度で低解像度の映像を大画面でみたとき、画質が悪いと判断されてしまいかねません。
視聴距離に対して適切なピクセル密度を持つディスプレイを選択することで、鮮明な画像が得られます

コンテンツの制作と編集を意識する

映像の画面サイズを選ぶ場合は、コンテンツの制作や編集の段階から適切なサイズを考慮することも重要です。
特定の画面サイズでコンテンツを制作する場合、映像やテキストの配置、クロッピング、フォーマット変換などを適切に行う必要があります。
クライアントが希望する映像(画面)のサイズで素材があがっても、その後の編集で扱えなかれば意味がありません。

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