【体験談】1回目の体外受精・顕微授精を終えて 

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3回の人工授精で成果が出ず、我が家は今年の1月に体外受精・顕微授精に進んだときの記録です。

体外受精(IVF)とは

体外受精(In Vitro Fertilization, IVF)は、不妊治療の一つであり、受精を体外で行い、受精卵を女性の子宮に戻す方法です。IVFは、自然に妊娠が難しいカップルや特定の不妊の原因がある場合に使用されることがあります。

体外受精(IVF)のプロセス

採卵(卵子の収集)

女性は排卵誘発剤を使用して、卵巣から複数の卵を成熟させます。通常、排卵誘発剤はホルモン注射として投与され、卵巣の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの状況では特別な配慮が行われることもあります。

受精

採卵された卵は、特別な培養液の中で受精を行うために、パートナーの精子または顕微授精(ICSI)と呼ばれる技術を使用して個別に選別された精子と一緒に培養皿に配置されます。

胚培養

受精した卵は胚となり、培養器の中で数日間成長させられます。胚の発育状況や品質が監視され、最も健康な胚を選びます。

胚移植

成長した胚のうち、最も有望な胚(通常は1つまたは複数)が女性の子宮に戻されます。胚移植は通常、薬剤や麻酔を使用せずに、特殊なカテーテルを使用して行われます。

妊娠検査

胚移植後、数週間後に妊娠の有無を確認するための血液検査または尿検査が行われます。

IVFは他の不妊治療法に比べて高度な技術となりますが、多くの不妊夫婦にとって有効な方法です。成功率は様々な要因によって異なりますが、医師との相談を通じて適切な治療計画を立てることが重要です。

顕微受精(ICSI)とは

顕微授精(Intracytoplasmic Sperm Injection, ICSI)は、体外受精(IVF)の一部として使用される高度な生殖補助技術です。ICSIは、男性の精子の運動能力や形態の問題がある場合に特に有用です。以下に顕微授精の手順を説明します。

顕微受精のプロセス(ICSI)

卵子の収集(採卵)

女性は通常のIVFと同様に、排卵誘発剤を使用して卵巣から複数の卵を収集します。

受精

収集された卵は、顕微授精のために特別な処理を受けます。一つの卵母細胞に対して、顕微鏡下で非活動な精子を選択し、細いガラスの管(マイクロピペット)を使用して卵細胞の膜を貫通させ、精子を卵細胞の中に直接注入します。

胚培養

成功した受精後、卵子は胚となり、通常のIVFと同様に培養器の中で数日間成長させられます。

胚移植

成長した胚(最も有望なもの)が女性の子宮に戻されます。胚移植の方法やタイミングは、通常のIVFと同様です。

顕微授精は、男性の精子の運動能力や形態の問題がある場合に有効な方法です。例えば、低精子数や精子の形態異常、運動能力の低下などの問題がある場合に使用されます。ICSIは、卵子に対してほんのわずかな精子を注入するため、精子の数や運動能力に関する問題があっても受精の可能性を高めることができます。

我が家の体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)

クリニックの説明では「2022 年 4 月から生殖補助医療の保険適用が始まっているが、日本の健康保険制度の 枠組みでは、保険と自費の診療を混在させる「混合診療」は禁止されているとのことから、先進的な生殖医療を自費で 行うことに致しました」と説明がありました(詳細はこちら)。

つまり、保険診療 の生殖補助医療(体外受精、顕微授精)を行わないということ、せっかく保険適用になったのに保険適用外の治療を進めざるを得ない状況でした。

なんでこうもうまくいかないのか、これには私も妻も落胆しました。

国やクリニックをはじめ当事者の立場に立った制度設計を作ってくれないのか憤りすら覚えました。

ただ、落胆していても仕方ないので、保険適用外の生殖補助医療で確率の高い治療を選択し妻と頑張る決断をしました。

治療としては、採卵をし体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)を組み合わせることで確率をあげる。また培養した受精卵を一度凍結したものを胚移植することで確率をあげられると説明がありました。

おそらく他のクリニックとの違いは、採卵した卵を体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)のどちらかにすべて使うわずに、半分を体外受精し残りの半分を顕微授精という具合に折半することです。

採卵で我が家は8個の卵が取れ未熟なのを除いて、3個を体外受精(IVF)、2個を顕微授精(ICSI)へ進めています。

結果、育った卵は顕微授精(ICSI)の1個だけです。顕微授精(ICSI)の残り1個に至っては、精子を注入する時の針に耐えられなかったと培養士さんから話を聞きております。

費用は保険外でざっと60万円ほどです。

体外受精と顕微授精を経験して大変だったこと

体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)を経験して大変だったことは2点あります。

卵を育てるために採卵の1週間前くらいから自己注射を行います。これは素人にはとても大変です。

私もクリニックに通い注射の研修を受けましたが、針の作り方から薬の溶かし方、注射打ち方まで自分で覚えて自分で打たないといけません。これを自分一人でやるのはとても大変で、我が家は私が注射の打ち方を学習し妻に打っていました。

もうひとつが採卵の大変さです。うちの妻も泣きながら採卵を受けていましたが、人によって痛みが違うようですが、側に寄り添っていて採卵が心身に一番こたえる治療だと感じています。採卵後が二、三日痛みが残り、うちの妻は吐き気などの体調不良を起こしています。

不妊治療はとくかく女性が大変です。

そのため男性は女性にすべての治療を任せるのではなく、なるべく手伝えることは手伝い、手を差し伸べて協力して行ってくことが大切だと思っています。